夕刻、いつもの浜へ散歩に行くと、よく晴れているのにまたしても低い雲が夕日の行く手を阻んでいた。めっきりデイ・キャンパーの少なくなった浜に、往く夏を惜しむようにバーベキューをしている人たちがふた組。夏休みが始まったばかりの頃に較べると、子供たちのはしゃぐ声も心なしかトーンダウンして聞こえる。水上バイクがやけくそのように湾内を行ったり来たりしている。方向転換するときに海面が大きくめくれ、白波が立つ。その波紋がゆっくりと静かな入江に寄せてくるのを見るともなしに見ている。
ひとり
ふたり?
ひとりといっぴき
夏の果てにて。