人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ナゾのつる性植物
はじめは「カタ焼きソバ一人前」くらいだった

初めてコイツに気づいたのは、去年だったかおととしだったか。今となっては定かではない。海岸を散歩していて、ハマヒルガオやハマゴウといった海岸植物の葉の緑色の中に、やけにビビッドな黄色があることに気がついた。

遠目には、パーティーグッズによくあるようなカラースプレーを撒いたように見えたから、(人間の脳はつくづくすごいデータベースだと思う。今まで見たもののなかから、もっとも近いと思われるイメージを瞬時に引き出してくる。たとえそれが、その場においてはどんなに突拍子もないと思われるものであっても、だ)海岸でどんちゃん騒ぎをしたあげく、そんなものを撒き散らした不届き者(=チャラ男)のイメージまで付随して脳裏に浮かんだ(単に私に妄想癖があるだけかもしれないが)。

近づいてみると、形状はカタ焼きソバによく似ている。さては、はめを外しすぎた誰かが「オエェ」とやったか?(←さらなる妄想) いや違う。
ナゾのつる性植物_a0102794_12421731.jpg
さらに近づき凝視してみると、どうやら「植物のつる」のようである。ハマヒルガオやハマゴウって、こんなツルが出るのかな?と、出所を調べてみるが、よくわからない。それに、自分のツルにしては明らかに変なのだ。
ナゾのつる性植物_a0102794_13231048.jpg
     だって、「きゃー」って嫌がってるじゃないですか?

その時はカメラも持っておらず、後日何人かの人に訊いてみたが、分からず終い。その内に、いつものことながら新しい記憶が上書きされていくにつれ、堆積物の中に埋もれ、忘れてしまったのである。そしてまた、今年も海岸に「ナゾのつる」がはびこるに従って、私の疑問も再燃しはじめたのだった。(※はびこる を漢字変換すると、蔓延る と出てくる。これはまさしく「つるがのびる」ということだ!)
というわけで、今回やっとカメラにおさめることができた。現時点では、カタ焼きソバ大どころでなく、大きなコロニーが出来ていて、さながら「投網」のようだ。が、「投網」の遠景写真を撮り忘れた。まぬけ。
ナゾのつる性植物_a0102794_13465799.jpg
      よく見ると花まで咲いている。
ナゾのつる性植物_a0102794_13515681.jpg
      ↑拡大画像。

帰宅し、ネットで検索して、ようやく正体を突き止めることに成功!
アメリカネナシカズラ(ヒルガオ科ネナシカズラ属)という、北米産の帰化植物だった。地面で発芽した後すぐに様々な植物に巻き付いて寄生し(宿主を選ばない)、吸盤(寄生根)を出して養分を吸うという。他の植物の栄養を奪うということは、光合成をする必要もなく葉緑体なんていらないから、黄色くてもいいわけだ。気になるのは、なんだか年々、黄色い「投網」が巨大化しているようなこと。どうやら詳しい生態もよくわかっていないらしい。ならば、毎年気づいたときに勝手に定点観測でもするとしよう…。
吸盤のアップはこちらのサイトを参照。←こちらで、寄生植物にさらに寄生する虫もいるらしいことを知る。「世の中は複雑である。」

色々なサイトで説明を読んでいて面白かったのは、「黄色い網や布が捨てられているように見える」とか、「(この草が繁茂すると)一面ラーメンをぶちまけたような景観となり…」とか、「まさしくスパゲッティ状態」とか、「黄色の太糸ネットで覆われた状態」とか、十人十色のナマな形容表現。いちいち頷いてしまった。

ちなみに検索語は「海岸 つる 黄色」でした。ネットってスゴイね!
by saltyspeedy | 2008-07-01 17:15 | 花・植物
<< 曇天 エンジェルストランペット >>