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普段から備えておくべきこと
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『ドッグ・トレーナーに必要な「深読み・先読み」テクニック』シリーズの編・著者であるスウェーデン在住の藤田りか子さんが、「dog actually」に書かれていた記事『胃捻転、生と死をさまよう』を読んだ。大いに考えさせられ、同時にある種の覚悟をもさせられる内容だった。

胃捻転は突然発症し素早い処置をしなければ短時間で死に至る恐ろしい病気だ。胸が深い大型犬に多いとされているため以前から注意しているつもりでいたけれど、今回調べて新たに知ったことがいくつもあった。ご愛犬が胃捻転を経験された方のブログ記事にはとても詳しく書かれているものがありますので、ぜひ検索してみて下さい。

私が特に気になったのは、アメリカの研究チームによるGDV(胃拡張・胃捻転症候群=Gastric Dilatation-Volvulus の略)のリスク因子や特徴について紹介されていた記事。



・腹部が深く幅が狭い犬種の方がリスクが高い。
・犬の性格は、怖がりの犬ほど胃捻転のリスクは高く、陽気でおおらかな犬ほど胃捻転のリスクは低い傾向がある(ストレスに対する生理的反応に違いがあり、これが胃に影響を与えていると考えられるため)。
・加齢と共に発症率は上昇する。

食事との関係
・食べる速度が速い犬の方が、胃捻転のリスクが高い。
・ゲップをよくする犬は、そうでない犬に比べてリスクが60%高い。
・よくガスが溜まる犬は、そうでない犬に比べてリスクが20%高い。
・食後いつも腹部が拡張する犬は、そうでない犬に比べてリスクが80%高い。
・食器の位置を高くすると、リスクも高くなる(食器の位置を高くすると、空気嚥下症(空気を飲み込む事により消化管の中に空気が溜まってしまう病気)を誘発する為と思われる)。
・・・

体型や食餌と運動の関係、加齢といったリスク因子は気にかけていたけれど、「恐がりな性格」「ゲップをよくする」「食器の位置が高い」というのもリスク因子だとは知らなかった。これらはスピに当てはまる。アリシャは「食べる速度が速い」し水をガブ飲みする。食器の位置などを早急に改善するとともに、かかりつけの動物病院が閉まっている夜間に起きたときに備えて、普段から夜間でも対応してもらえる病院を数件探しておくことも必要だ。

胃捻転の多い犬種としては、秋田犬、ブラッドハウンド、コリー、グレートデン、アイリッシュセター、アイリッシュウルフハウンド、ニューファンドランド、スタンダードプードル、ロットワイラー、セントバーナード、ワイマラナーなどがあげられている。この中で一番リスクの高い犬種はグレートデンで、発症率は11.6%。次がアイリッシュセター、ブラッドハウンドと続く。

これ以外の犬種でも、ドーベルマン、ジャーマンシェパード、イングリッシュセター、ゴールデンレトリバー、ラブラトールレトリバー、バーニーズマウンテンドッグなどの大型犬、コッカースパニエルやシェルティなどの中型犬、ミニチュアダックスフンド、トイプードル、バセットハウンドなどの小型犬にも多く見られるそう。

※飼育頭数が少ないため上記リストには上がっていないが、藤田さんのご愛犬カーリーコーテッドレトリバーや、グレイハウンド、ボルゾイ、サルーキなどのサイトハウンドも同様に注意が必要な犬種。

動物が急病の際、当然のことながら救急車を呼ぶことはできないから、自分で運転して病院に連れて行かなければならない。夜間、30分、1時間の処置の遅れが命取りになるような急性の症状に陥った時、受け入れてくれる病院を探し、自分で立ち上がれない大型犬を車に運び、初めての道を運転して行かなければならない、ということもありえる。アルコールが入っていたら、同時にドライバーも探さなければならない。"その時"、果たして冷静な判断でこれらのことを行えるだろうか?
普段から備えておかなければ。
by saltyspeedy | 2013-06-27 23:47 | 犬のこと
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