梅雨時に吹く湿った強い南風、荒南風(あらはえ)。こんな日に海に散歩に行くのはなかなか大変なのだけれど、強風が黒雲を吹き散らし思いがけず神々しいほどの夕空に出会えることもあるから、時にはがんばって行ってみる(行ってみないことにはわからないのだ)。
この日はウインドサーフィンの人など思いのほか浜に人出があった。
砂浜を歩きはじめてすぐ、近くで爆竹が鳴った(あーあ)。
言うまでもなくスピはパニックになって暴れ、引き返そうとしてのどがひゅーひゅー言うぐらい思いっきりリードを引っぱった。引っぱりすぎて「おえっ」となったり、激しく後ずさりして首輪が抜けそうになったり、それはそれは大変だった。
夏はこれだからイヤになる。それからというもの、海の方に散歩に行こうとするといやいやをするように首を振り、ぴょこぴょこ後ずさりして嫌がるので困っている。危うきに近寄らないのは生き物としての本能だから、しばらくは仕方ないかな。