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DRAG QUEEN
御茶ノ水のGallery bauhausに廣見恵子写真展 「DRAG QUEEN ジャックス・キャバレーの夜」を観に行ってきました。Hさんも行きたいというので一緒に。DRAG QUEENとは、派手な衣裳とメイクで女装してパフォーマンスを繰り広げる男性…と言っていいのか女性と言っていいのか…とにかく性のはざまで妖しく揺らめく人たちのことで、写真展はそのDRAG QUEENたちの舞台裏に肉迫したモノクロ写真(ゼラチンシルバープリント)の展示でした。
    ↑展覧会の案内ハガキです。 c) Keiko hiromi.

Web上で紹介されていた1枚のモノクローム写真。そこには眉を細く跳ねあげ、絵筆のようにふさふさとしたぶ厚い睫毛をつけてうつむいたQUEENの顔が写っていました(↑の写真ではありません)。そういった世界があることは何となく知っていても、この1枚を目にしなければ自分にとってまったく縁のなかった世界です。薄暗いボストンのジャックス・キャバレーで夜ごと繰り広げられているのは、おそらくは一部の人たちのみに開かれたあけすけで猥雑で肉感的な極彩色の世界なのでしょう。ところがけっして華奢とは言い難い写真の人物が発しているのは、まるでうまれたての鳥の雛のように脆く儚げな美しさなのです。

ギャラリーで実際に写真と対面し、やはり同じ印象を受けました。モデルのおネエさんたちはいわゆるニューハーフ的な美しさなど超越した圧倒的な存在感で、特にこれからメイクを施しDRAG QUEEN へと変身していく姿などは静かな威厳に満ちていて、不思議な感動を覚えました。恥ずかしながらゼラチンシルバープリントなる用語すら知らなかった私ですが、不思議なことにプリントからはざわめきやひそひそ話、かすかな脂粉の匂い、汗や体臭すら漂ってくるようでした。そして、渦巻いているそれらの核の部分に、結晶化した何か…うまく表現できませんが、香気のようなものが立ち上っているのです。隣のHさんは何を感じたのでしょうか。ちょうどいらしていた廣見さんに、メイク前メイク後の「DRAG QUEEN ビフォーアフタークイズ」(笑)を出してもらって楽しんでいました。幸福な時間をありがとうございます。

帰り道、立ち寄った本屋を出ると、駅前通りには店々がてんでに吐き出すエアコンの熱気が吹き澱んでいて、むおっとする夏の宵でした。ふと、草の汁のにおいと汗のにおいがして、九段下に勤めていた時分この界隈を徘徊していたある夏の宵の記憶が甦ってきました。

終業後の人波と吹き出す熱気の渦巻く道を漕ぎ進むように歩いて歩いて、喉を涸らしてたどり着いた神楽坂の酒場で、店内に「生ビール」の文字を探すのだけれどみつからない。さらにその店にはびんビールすらないらしいことが判明して愕然としているところへ、熱燗の徳利とつまみのセットが運ばれて来る。あたりを見まわすと皆いちように同じ光景…(悪夢のようでした)。今思うと、夢を見たのかな?という気もしなくはないのだけれど、たまたま運悪くそういう「こだわりの店」に入ってしまったのでした。くわばらくわばら。

このあとHさんと入ったお店で飲んだ生ビールのおいしかったこと!
by saltyspeedy | 2009-07-30 23:59 | おでかけ | Trackback | Comments(0)
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