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岬にて
金曜日の夕方、海岸放牧。ここに来るとスピはひとしきり爆走するのが常なのだけれど、この日は海岸に出てすぐの茂みに「やんごとなき匂い」があったようで、その場所をずーっと嗅ぎっぱなしだった。いつもなら私が姿の見えないところへ移動するとぴょこぴょこ跳ねて姿を探し、走ってきたりするのだけれど、一向にそんな様子も見られない。「匂いの君」を求めて来た道をダッシュで引き返されてはタイヘンなので、こっそり近づいてお縄に。
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    遠い目をして思案にふけっている(…かどうかはわからない)スピ
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梅崎春生の短編に『輪唱』という作品があります。「いなびかり」「猫の話」「午砲」という短いお話が三つ集まって『輪唱』という作品の体をなしているのですが、中でも「叔父さんは岬の一軒家に、ひとりぼっちで住んでいた」で始まる「午砲」が一番好きです。何度読み返してもしみじみとした寂しさに包まれます。それはこの岬に来て感じる寂しさとよく似ています。
by saltyspeedy | 2009-05-15 23:59 | 放牧
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